cinema

『阿部一族』熊谷久虎、1938年、東宝

 最後の映画鑑賞記録です。今週、ホオ・シャオシェンの傑作とすでに評判高い『百年恋歌』へ行く予定なのでそれが残せなくて残念です。
 なんだか万年「閉店セール」をやっているお店のようで、いまだに更新していますが、今月内には確実に移せます。いま調整中です。
 この古さじゃ画像も落ちていません。鴎外の『阿部一族』を原作にした東宝と劇団前進座が組んだ時代劇。
 熊谷久虎は初めて観ることができました。原節子の義兄なんですね。知らなかった。 続きを読む

『父親たちの星条旗』クリント・イーストウッド、2006

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 六本木のシネコンに硫黄島二部作となるクリント・イーストウッド『父親たちの星条旗』を観に行く。
 イーストウッドは批判を聞いたことがないほどシネフィルに評判の高い作家だけれども、今回もまったく裏切らなかったです。
 こんな‘戦争映画’を初めて観ました。ひたすら怖かった。砲撃がきて泥砂が降り視界はきかない、いつ撃たれるのか、どこから狙われるのか、わからないが、進まねばならない。その怖さが常につきまとう。
 観ていてこちらまで不安で怖かった。こんなにリアリティを覚えるような戦争(に関わる人びと)の表象があったのか。よく「人を殺したかどうかも覚えていないなんてありえない」というような形で、元兵士を詰問する報道なりなんなりがあるけれども、大概そんなとき元兵士は「味方しか見えなかった」「銃は撃ったがよくわからない」と答えたりする。その感覚が、ほんとうによくわかった。 続きを読む

『春夏秋冬……そして春』

 仕事が早く終わったので、飯田橋ギンレイホールで途中下車し、滑り込みで『春夏秋冬……そして春』を観て来ました。監督キム・キドク、原題:Spring, Summer, Fall, Winter ... and Spring、製作:2003年、ドイツ、韓国、108分。
 いやあ、きつかった。わかりやすすぎるプロット、予定調和な展開。どこをどうみれぱ心にしみる、という感想が出る? というくらい。だって、水上に浮かぶ寺から小僧が唯一の舟を漕いで対岸に渡っているというのに、なぜ僧がこちらに来られる? それに青年になった坊主がねーちゃんに欲情しやってしまうところも、あれは和姦という名のレイプだろ。目鼻口に「閉」と書いた半紙を貼りそこが涙で湿る、もしくは子どもを寺に置いて去ろうとする母親が、顔に巻きつけたスカーフの下で泣いてそこがまた筋状に涙で湿る、そしてそれを正面からアップで撮る。……ギャグにしか思えなかったのですが。
 ドイツ人のオリエンタリズムが強く入っちゃったのかしら。
 とにかく「こんな寺あるんだなあ」くらいにしか印象に残らなかった映画でした。
 たまには、だめなものを見るのもいいことだ、と慰めることにする。でも、これならビデオでも観なくてよかったな。そんな辛い感想です。はい。

岩佐寿弥(いわさ・ひさや)『叛軍No.4』

05.02.25(木)
 本日は、仕事が早く片づいたため、フィルムセンターでやっている特集「フィルムは記録する2005: 日本の文化・記録映画作家たち」に行く。元同僚が知らせてくれたもの。19時の回を見ると、なんと岩佐寿弥! しかも『叛軍No.4』(98分・16mm・白黒)。うわ、観たことない! というわけで急いで支度をし、京橋へ。
 閉演20.38。びっくりした。思わず拍手しそうになりました。こんなトリッキーなドキュメンタリーみたことない。異色もいいところ。いわゆる‘わたくし探し’のものって、いい加減時分でも飽きているのだろうと思っていたけれど、……いやあ、ほんとうにすごい構成だった! 
 それにしても「青の会」ってどれくらいの緩さ(?)の集まりだったんだろう。小川、土本のラインの予想でいたので、なおさらびっくり。長谷川泰子が出ている『眠れ蜜』も大期待。フィルムセンターは500円で観られるからうれしいな、ほんとうに。 続きを読む

中田秀夫が『The Ring 2』をハリウッドで監督

 ……するらしい。中田秀夫って、たしか20-30年代ハリウッド映画、いわゆる黄金期を愛してやまない人だったよな。東大で研究まではしていなかったんだっけ? ダメだ、知らない。
 『リング』でももろに影響が出ているところがあったし、あの消費社会の象徴のような妙な産業形態に、映画のえの字を見せてあげてほしいです。でも、がんばっている監督もいるから、一概にはだめだといいたくないけれど、プロデューサーがいい人がいなさ過ぎる、というところなんでしょうか。
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